久々に薄片を作りました。
有名な東赤石山の橄欖岩の薄片です。
全長約800 kmにも及ぶ三波川変成帯のなかで、マントル物質が唯一広範囲に纏まって露出しているのが、四国地方中央部の別子地域です。
周囲にはエクロジャイトという高圧変成岩も露出しており、地質学的にたいへん重要な地域です。
橄欖岩に分類される岩石の中でも、おそらくダナイトに相当するのでしょうか。
脈状に走っているのは、橄欖石が加水を受け変質した蛇紋石です。
こちらには直径2 mmほどの大きさの磁鉄鉱が脈上に見られます。蛇紋岩化のさいに生成したのでしょう。
橄欖岩の薄片の魅力はなんといっても、やはりクロスニコル下で見せる鮮やかな干渉色でしょう。(蛇紋岩化してしまうと。。。)
美しさだけでなく、どのようにしてマントル物質であるこの橄欖岩が地表へ上がってきたのかということも気になって仕方がありません。